


今回の注目点は、ビットコインが再び上がったことだけではありません。重要なのは、暗号資産のレバレッジ、米国の利上げ観測、そしてAI半導体株の揺れが同じリスク取引としてつながっている点です。足元ではビットコインが約6万2700ドル、イーサリアムが約1625ドル、ソラナが約78ドルですが、価格だけを見ると論点を見誤ります。これは本物のリスク選好の回復なのか、それとも売り方の買い戻しなのか、という勝負です。
CoinDeskによれば、ビットコインは週前半に約5万7750ドルまで下げた後、7月3日に約6万1600ドルへ回復しました。同じ記事では、イーサリアムが3日続伸し、24時間の暗号資産先物清算額は約4億1700万ドル、そのうちイーサリアムが約1億6080万ドルを占めたとされています。ソラナも主要銘柄の中で強く、週間で17%超の上昇でした。

ETFフローは改善しましたが、出発点は弱いままです。CoinDeskは、米上場の現物ビットコインETFに木曜日だけで2億2170万ドルが流入し、2カ月ぶりの大きな日次流入となり、10日連続の流出が止まったと報じました。FidelityのFBTCが約1億6600万ドルを集めた一方、BlackRockのIBITはなお流出でした。つまり、流入再開は前向きな材料ですが、それまでの27億3000万ドルの流出や年初来約54億ドルの純流出を一日で帳消しにはできません。
より慎重なのはオプション市場です。CoinDesk Daybookによると、DeribitのBTCとETHのプットは依然としてコールに対してプレミアムで取引され、ビットコインの1週間25デルタ・プットコール・スキューは約16%でした。10日前の約25%からは低下しましたが、下落保険への需要は残っています。7月17日満期のBTC大型コール・コンドルも、強い上放れというより6万6000ドルから6万8000ドル付近のレンジを意識した取引に見えます。
株式市場との接点はAI取引です。APは、ダウが最高値を付けた後、独立記念日の休場を前に世界株がまちまちだったと伝えました。韓国KOSPIは前日の約8%安から5.8%反発し、サムスン電子は8.2%、SKハイニックスは10.9%上昇。日本の日経平均も1.5%上げ、キオクシアは9.2%高でした。一方、米国ではダウが最高値を更新する中でも、ナスダックは一部AI・半導体株の弱さで下落していました。
私の見方では、今回の反発は先週のパニックより内部環境が改善した救済ラリーですが、まだ明確なトレンド転換ではありません。強気材料は、弱い米雇用指標で利上げリスクが後退し、ETF流出が一日止まり、ETHとSOLに再びレバレッジ需要が出たことです。慎重材料は、オプションの歪み、米祝日前後の薄い流動性、半導体株の不安定な主導力です。
見るべきポイントは絞られています。ビットコインが6万ドル台半ばを保てるか、ETF流出が再開しないか、ETH/BTCが100日移動平均を回復するか、SOLが週間上昇分を維持できるか、ナスダック100先物と韓国・日本の半導体株が再び崩れないかです。これらがそろえば暗号資産のベータは伸びます。そろわなければ、買い戻しは燃料であって土台ではない、という現実が戻ってきます。
Sources
CoinDesk: Crypto bulls on firmer footing as U.S. rate-hike risk recedes
CoinDesk Daybook: Bitcoin and Ether traders are not fully buying the bounce
CoinDesk: Bitcoin ETFs see $221.7 million inflow
Associated Press: World shares mixed after Dow record and AI-stock volatility
リスク注意: 本記事は市場コメントであり、個別の投資助言ではありません。暗号資産の無期限先物、オプション、レバレッジ商品、株価指数先物、半導体株は、流動性が薄くポジションが偏る局面で大きく変動する可能性があります。
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