


コンテナ運賃が再び市場の会話に戻ってきた。6月11日公表のDrewry世界コンテナ指数は40フィート当たり3,549ドルへ3%上昇し、上昇の中心はアジア発の北米向けと欧州向けだった。Freightosも6月2日時点で、今年はピークシーズン入りが早いと指摘しており、アジア発米西岸・米東岸・北欧向けの運賃がそろって上向き始めている。
より重要なのは、船会社の値付け姿勢が明確に変わっていることだ。Maerskは6月17日発効で、極東アジアから米国・カナダ向けに20フィート当たり1,000ドル、40/45フィート当たり2,000ドルのピークシーズン・サーチャージを設定した。さらに欧州・地中海向けでも6月10日から新たなサーチャージを導入し、韓国発貨物には6月25日から同水準を適用する。日本と韓国は値上げの出発地に入り、欧州と米国はそのコストを受け取る側だ。
そこへ地政学リスクが重なる。Maerskの6月欧州市場アップデートは、ホルムズ海峡の状況について、依然として予測しづらく、目立った改善も見られないとした。聯合ニュースは6月11日、韓国系運航船が追加で海峡通過に成功したと伝えたが、それでも直前まで複数の韓国関連船が足止めされていた。つまり今の運賃上昇は単なる箱不足ではなく、迂回、時間の不確実性、燃料コスト転嫁まで含めたオプション料だと考えた方がいい。
私の見方では、これはまだ単純な海運全面高の局面ではない。むしろボラティリティの再評価だ。運賃がさらに上がれば海運・物流株に短期資金が集まりやすい半面、より重要なシグナルは、輸入依存で利幅の薄い企業や部材調達の長い製造業に逆風が戻ることだろう。見るべきなのは海運株だけではなく、価格転嫁力のある輸出株、利益クッションの薄い小売、越境サプライチェーン依存の工業株だ。
リスク注意: 運賃は、船腹供給の増加、前倒し需要の一巡、中東の航行環境改善で急反落する可能性がある。この記事は市場解説であり、個別の投資助言ではない。
参考ソース:
Drewry World Container Index, 2026年6月11日
Freightos weekly freight update, 2026年6月2日
Maersk 米国・カナダ向けPSS告知, 2026年5月18日
Maersk 欧州向けPSS告知, 2026年5月25日
Maersk Europe market update, 2026年6月3日
聯合ニュース, ホルムズ海峡関連, 2026年6月11日
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