


今回のComputexで市場が見ているのは、NVIDIAの新製品そのものだけではありません。米国のAI本命株、韓国のHBMメモリ、日本の検査装置・製造装置、そして欧州のASMLまで含めた半導体サプライチェーン全体が、同じテーマで再評価されている点が重要です。つまり、いまの相場はNVDA一社の話から、世界的な連想取引へ広がっています。
最初の材料は分かりやすいです。Reutersは6月1日、NVIDIAがComputexでノートPC・デスクトップ向けのRTX Sparkを発表し、2026年をエージェントAI時代の転換点として打ち出したと報じました。さらにVera CPUの初期採用先としてOpenAI、Anthropic、SpaceXの名前も示されました。これは単なる新製品ニュースではなく、AI需要がデータセンターGPUだけでなく、PCやローカル推論、より広い計算基盤へ拡張するという連想を市場に与えています。
その波及先として最も分かりやすいのが韓国です。Reutersは5月27日、SKハイニックスが時価総額1兆ドル台に乗せ、メモリ需要が2028年まで供給を上回る可能性があるという見方を伝えました。トレーダー目線では、AI相場の本当のボトルネックがGPU本体だけでなくHBMにある以上、韓国メモリ株は通常の景気循環株ではなく、供給制約を持つインフラ資産として扱われやすくなっています。
日本市場は、このテーマの“つるはしとスコップ”部分をどこまで織り込むかの勝負になっています。Reutersは5月27日、日経平均が取引時間中の最高値を付けた局面で、東京エレクトロンとアドバンテストが上昇寄与の中心だった一方、AI関連株の急ピッチな上昇に対する警戒も出たと報じました。これは強気材料です。ただし同時に、好材料が出ても利食いが出やすいほどポジションが偏ってきた、という注意信号でもあります。
欧州ではASMLが需給の現実を示しています。Reutersは5月20日、ASMLのChristophe Fouquet CEOがAI需要で半導体市場の逼迫が当面続くと述べたと報じました。加えてASML自身も4月15日の2026年第1四半期決算で、需要が供給を上回り、顧客が2026年以降の能力増強を急いでいると説明しています。欧州の役割は物語の先端ではなく、設備投資サイクルが本物かどうかを測る機械層だと見るべきです。
センチメント面でも特徴があります。Jensen Huang氏の台北講演後、RedditではNVDA単独の話というより、メモリ、サーバー、光通信、ソフトウェアまで含めた“次に買われる銘柄群”の議論が広がっていました。SNSの熱気をファンダメンタルズの根拠にするべきではありませんが、資金が単一銘柄からエコシステム全体へ追随し始めていることは読み取れます。
私の見方はやや強気寄りですが、無条件ではありません。強気の論点は、NVIDIAのAI PC戦略で需要の裾野が広がる一方、HBM不足とASMLの供給制約が価格決定力を支えることです。弱気の論点は、同じテーマを米国・韓国・日本・欧州が一斉に織り込んだ結果、期待のハードルがかなり高くなっていることです。今後はキーノートの盛り上がりより、受注、設備投資、供給能力の見通しの方が相場を左右しやすいと見ます。
リスク注意: 本記事は市場観察および取引教育を目的としたものであり、個別の投資助言ではありません。利益を保証するものでもありません。株式、先物、暗号資産デリバティブなどの取引には元本損失を含む大きなリスクがあるため、判断は必ずご自身で慎重に行ってください。
参考ソース: Reuters: NVIDIAのComputex発表、NVIDIA Newsroom、Reuters: 韓国パートナーとの会食、Reuters: SKハイニックス1兆ドル到達、Reuters: 日本の半導体株上昇、Reuters: ASMLの需給見通し、ASML 2026年第1四半期決算、Redditの関連議論。
原创文章,作者:financial transaction,如若转载,请注明出处:https://www.fanbi.net/archives/105